就職活動のためのキャリアハンドブック
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1 理系学生の就職活動の場合、大学の指導教員や所属専攻内の就職担当教員等による「推薦」を利用した応募ができる場合があります。もちろん、文系学生と同じように「自由応募」で就職活動を進めることもできます。かつては、推薦利用が主流でしたが、広く人材を求めたいという企業の採用姿勢とも相まって、現在では自分で就職先を見つける自由応募も多くなっています。自由応募では応募先企業の業種を幅広く選べるのに対し、推薦応募では企業が学生の専門性を重視するため求人企業の業種がある程度限られます。ただし、推薦応募の場合には書類選考が免除される等のメリットがあります。デメリットとしては、礼儀上、内定後の辞退は原則できません。例えば、ある企業に推薦応募をし同時に別の企業に自由応募をして両方から内定が出た場合には、自由応募の企業に対してできるだけ早く内定辞退を申し出なければなりません。そのため、推薦応募をする場合はあらかじめ入社の意志を固めておきましょう。ただし、推薦応募といってもはじめから内定が保証されているわけではないので、面接試験では自分の熱意や能力をしっかり伝えて、推薦にふさわしい優れた応募者であると評価されることが必要です。■ 北海道大学での推薦について 北海道大学では、大学全体で選考を行って推薦者を決める形式の「学校推薦」は実施されていません。便宜的に「学校推薦」という名称で呼ばれることはあっても、北大の場合には推薦書の署名人は学長や学部長ではなく、専攻内の教員です。また、キャリアセンター名で推薦書を発行することもありませんので、注意してください。※推薦応募のスケジュールや手順は、自由応募と異なります。あらかじめ所属専攻等の就職担当教員に相談してください。■ 応募先企業について 自由応募の場合は、理系学生を募集する企業すべてに自由に応募することができます。それに対し推薦応募の場合は、所属専攻等に対して推薦を依頼してきている企業に限り応募できます。所属の学科・専攻に企業から推薦依頼の求人が来るので、就職担当教員に問い合わせてください。また、自由応募での選考が進む途中で、企業側から推薦書の提出を求められることがあります。その際には、研究室の指導教員や専攻内の就職担当教員に相談してください。■ 選考方法について 自由応募、推薦ともに選考プロセスは変わらないという企業もありますが、推薦の場合に書類選考や1次面接を省略するなどの違いを設けているところもあります。また、面接等の正式選考が始まるまでの時期に、自分と同じ研究室を出た若手社員が工場見学や会社訪問に誘ってくれて、飲食をしながら親身に相談に応じてくれるという場合もあるかも知れませんが、そんな中でも常に採点・評価されているということを意識して、気を緩めずに正しく振舞うことが大切です。■ 内定について 推薦を受けて応募しても内定が保証されているわけではないので、面接などの選考過程で著しく低い評価を受ければ不採用となる場合もあります。気を引き締めて臨みましょう。また、選考途中で応募を取り下げたり内定後に辞退したりすることは、礼を欠く行為であるだけでなく推薦者と企業の間の信頼関係を損ねることになるので、原則、内定辞退はできません。一方、自由応募の場合は、複数の企業に応募して、最終的に1社に絞ることが可能です。2■ 就職か進学か 理系の学部では文系に比べて大学院進学率が高いですが、大学院修了だからといって必ず研究開発職に就けるわけではなく、また学部卒だからといって技術職の採用に不利ということでもありません。あくまでも、一応募者として自分の適性や能力が企業側から高く評価されることが必須です。業種や職種によって学歴に対する要求が異なることもあるので、しっかり情報収集した上で、自分がどういった仕事に就きたいのかを考え、そのために最適な道を選ぶことが大切です。134自由応募と推薦応募理系学生の就職活動スケジュールLESSON.41選択肢の幅が広い理系学生の就職活動。早めに検討し、納得のいく選択をしよう。理系学生の就職活動

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