就職活動のためのキャリアハンドブック
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1 私たちが安心して暮らせるように、そして暮らしの安全が保たれるように社会の基盤を整備し支えること、それが公務員の仕事です。国あるいは自治体ごとの全ての人たちのために働くということは、企業に勤めていてできることではありません。大きな責任のある仕事ですが、やりがいも大きな仕事です。2 公務員は、大きく国家公務員と地方公務員に分けることができます。採用先が国の機関であれば、国家公務員として、立法(衆議院事務局職員、衆議院法制局職員、参議院事務局職員など)、司法(裁判所事務官、家庭裁判所調査官など)、行政(一般に言われる国家公務員)という国の根幹を支える仕事に就くことになります。 また、地方自治体の機関であれば、地方公務員として、その地域に密着した行政サービスなどを行うようになります。公務員には、経費をできるだけ削減しながら、国民、地域住民の方々に貢献することが求められます。社会や人々への貢献の意識がなければつとまらない仕事ですが、それが大きなやりがいにもつながっていきます。3 公務員の仕事は、勤務する官庁やそれぞれの部門、職種によって違います。国や地域社会の制度や運用に係る多様な分野があります。ここでは、公務員の仕事を大きく行政分野の(1)行政・事務系 (2)技術系 (3)公安系 (4)資格系の4つに分けて、簡単に紹介します。136(1) 行政・事務系の仕事採用数が多く、公務員を代表する職種です。採用後は、本庁の各部門や出先機関など、さまざまな部署に配属されます。国や地域の発展、課題対応のための行政事務の現場では、情報収集・整理分析に基づく調整・検討、決裁の会議、委員会運営から、電話応対、窓口対応、総務、庶務、人事、経理など、幅広い仕事があります。「人」を相手にする仕事も多く、コミュニケーション能力や対人折衝能力が重要な部分を占めます。(2) 技術系の仕事技術系の仕事は、専門分野によって限定して採用される仕事です。化学、薬学、農学など、特定の分野の研究所で研究をしたり、電気、土木、建設、機械関係など、専門技術を要する仕事に携わります。異動も専門分野内であることが一般的です。ただし、就業してからは企画立案や事業執行にあたって、専門分野だけではなく行政全体を見渡せる幅広い視野が求められます。そのため専門知識や技術力のほかに、対人折衝能力や調整能力も重視されます。(3) 公安系の仕事社会の安全と平和を守る仕事に携わるのが公安系の仕事です。地方公務員では、身近な警察官、消防官などがあります。国家公務員では、刑務官、法務教官、入国警備官、皇宮護衛官、海上保安官、自衛官(陸・海・空)などがあります。(4) 資格系の仕事獣医師、薬剤師、保健師、看護師など、それぞれの資格を持った人が対象となります。採用人数が少なく、その分、競争率も非常に高いのが特徴です。公務員の仕事は「全ての人のための」サービス公務員の種類公務員の仕事内容LESSON.42社会を支える、暮らしを守る、大きなやりがいがある仕事。早めに情報収集をしながら、試験対策を万全に行いましょう。※掲載されている情報は変更になる可能性があります。公務員(国家公務員・地方公務員)への就職活動

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