就職活動のためのキャリアハンドブック
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1 企業研究の視点として、企業自体のことだけでなく企業を取り巻く外部環境にも注目し、自分との相性や将来性も含めた働く環境を考察することが大切です。企業自体の内部環境の見るべき情報や視点は、経営理念、事業内容、経営資源、経営成績、組織文化など。外部環境は、自社原材料の仕入先である売り手、自社主力商品に取って替わる可能性のある代替品や競合他社、自社商品の販売先である買い手の状況のほか、法規制などの政治的影響、為替変動等の経済的影響、人口や流行、世論等の社会的影響、技術革新等の技術的影響などがあります。 ここでは、3C分析という分析ツールを就活用に応用して企業研究する一例をご紹介します。2 3C分析は、企業が自社の事業の方向性や事業計画を策定する際に、内部環境である会社自体のこと(=Company)、外部環境である市場・顧客(=Customer)、競合他社(=Competitor)の3つで構成する情報に基づいて企業のことを定性的・定量的に把握し、企業が成長していくための取組み(経営戦略や事業戦略)をどうするか考察するビジネスツールです。複雑すぎず、それでいて重要な要素を漏らさず、重複せずバランス良く考察できるツールとして、経営コンサルタントやマーケティング担当者、経営学の研究者にはよく知られています。 それでは、3Cをどうすれば企業研究に活かせるか。経営コンサルタントや経営学の研究者ではない北大の就活生が、多忙な就活中にうまく利用するためのポイントは、無料だけれど信頼性が高く容易に収集できる情報を集め、それを元に、いかにバランスよく定性的・定量的な就活先情報を整理するか、自分の意思決定(就活先候補の優先順位づけ)に役立たせるか、ということです。 以上を踏まえて、右ページに就活用に3Cの企業分析フレームワークを11の情報に整理するように示しています。インターネットで上場企業の有価証券報告書とその企業HPを中心に情報収集し、就活先の優先順位がつけられるように、また深みある志望動機やESの記述、面接時の話ができるように企業研究・3C分析に挑戦してみましょう(情報サイトはwebを参照。外部環境⑦〜⑪は少し難しいので内部環境①〜⑥をまず情報収集してみましょう)。● 企業研究をして就活先の優先順位の判断材料としたり、就活軸を明確にして深みある志望動機や話題が話せ● 企業担当者との接触機会などの就活の大事なタイミングを逃がさないように過度な企業研究にならないように56るようにしておきましょう。気をつけましょう。<企業研究>企業研究・分析手法企業研究の視点企業研究・分析の仕方(3C分析)3ここでは企業の内部環境と外部環境に分けて、就活のために分析する方法の一例を紹介します。COLUMN

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