東京工業大学 就職ガイドブック 2025
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■ コロナ禍による景気減速を受け民間建設需要は減少見込み■ 技能労働者の確保と生産性向上の対応が急務■ 建設需要の落ち込みや人手不足を受け、業界再編も発 注116116建設業は典型的な受注請負産業で、元請けから順次工区を割り振られる下請構造が形成されている。鹿島、大林、大成、清水、竹中のトップ5社は「スーパーゼネコン」と呼ばれ、業界ピラミッド構造の頂点に位置づけられる。都市再開発や震災復興、耐震工事など、今後も一定の建設需要は見込めるが、人件費や資材の高騰といった課題も抱える。不動産業界は「開発・分譲」「流通」「賃貸」「管理」の4つに大別され、開発・分譲はデベロッパーとも呼ばれる。大手総合不動産企業では、ゼネコンや住宅メーカー、設計会社などと共同で、都心部の再開発や街づくりといった大型物件を手がけるケースも多く、今後は省エネ・災害対策を軸としたスマートシティなどの需要も見込まれる。国土交通省「建築着工統計調査報告」戸建て業界は、全国規模で展開する大手ハウスメーカー、建売住宅を低価格で売るパワービルダー、地場の工務店で、マンション業界は、主に旧財閥系の大手と新興デベロッパーで構成されている。高い耐震技術を活かした海外展開や、省エネ、スマートハウスへの注力など、高付加価値住宅への取り組みを図っている。国内主要企業例国内主要企業例今後の展開建設施工会社とは独立した立場であり、建築物の計画立案、測量、設計、工事監理、検査等、建築に関わる企画から検査、相談まで幅広く請け負う。意匠設計、構造設計、設備設計の分野がある。全国に支社を持つなど企業規模が大きく大規模建築物を手がけることが多い組織系建築設計事務所と個人の建築家が主催するアトリエ系建築設計事務所に大別される。業界規模新設住宅着工戸数81万2164戸国内主要企業例国内主要企業例国土交通省「建設投資見通し」財務省「年次別法人企業統計調査」63兆1600億円(2020年度見通し)(2019年度)業界規模建設投資業界規模不動産業の売上高45兆3835億円鹿島建設超高層建築を早くから手がける。東京駅丸の内駅舎の復原工事も担当。大林組大阪で創業し、関西圏に強い地盤を持つ。東京スカイツリーを建設。大成建設新国立競技場の建設を担当するなど国家的プロジェクトも手がける。清水建設首都圏エリアに強みを持つ。民間建築主力。土木工事の開拓も進める。竹中工務店1610年創業。日本一の高層ビルあべのハルカスを設計・施工。三井不動産国内トップの総合デベロッパー。東京日本橋・日比谷の再開発を進める。三菱地所東京丸の内を基盤に、大手町や有楽町を含めた開発を展開。住友不動産都心のオフィスビル賃貸やマンション販売が柱。リフォームにも力を入れる。東急不動産ホールディングス東急不動産グループ3社が統合し誕生。東急電鉄と渋谷駅再開発も手がける。野村不動産ホールディングス分譲マンション「プラウド」の販売が主力。(2020年度)大和ハウス工業賃貸・分譲マンション・商業施設など多角化を進める。業界1位の住宅メーカー。積水ハウス注文住宅トップ。都市開発や海外事業展開も進める。飯田グループホールディングス6社が経営統合し、13年に誕生。分譲住宅最大手のパワービルダー。住友林業木材在来工法の住宅に強み。森林経営も手がける。旭化成ホームズ旭化成グループの住宅メーカー。「ヘーベルハウス」ブランドを展開。NTTファシリティーズNTTグループ主要企業の一つ。設計だけでなく、保守・運用も手がける。日建設計国内トップクラスの独立系建築設計事務所。三菱地所設計三菱地所のインハウス設計組織を経て2001年に分社化し独立。ゼネコン不動産住宅メーカー設 計計画する・監督する計画する・監督する建 設

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