128綿花、絹などの天然繊維やポリエステル、ナイロンなどの化学繊維を扱う。生産量の大部分を化学繊維が占め、シートベルト、人工芝、ゴルフクラブなどに使われる産業用繊維や炭素繊維の開発が進んでいる。鉄以外の金属を総称する「非鉄金属」にはアルミニウムや銅、ステンレスなどがあり、アルミ缶や10円硬貨など身近なものから、電子部品やロケットまで幅広く使われている。最近は自動車産業において軽量なアルミ材の採用が広がっている。石油や天然ガスを主原料とした、樹脂やゴムなどの合成繊維の総称を化学製品と呼ぶ。プラスチック製品からスポーツシューズ、セーター、洗剤、タイヤまで幅広く使われており、今後は有機EL材料などの機能性材料の開発が鍵となる。建築・自動車・電子部品などのあらゆる分野において、電力や電気信号を伝えるために不可欠な電線。従来は銅製が主流だったが、アルミ製や光ファイバーで用いられるガラス・プラスチック製のものもある。このページでは、これまで取り上げた以外の業界について、動向と国内主要企業を紹介しています。それぞれの業界が数多くの他業界と関わり合い、企業間の取引を行っています。興味のある業界があれば、その業界がどのような他業界と関わり合っているのかを調べましょう。例えば、ある企業の「主要取引先」を見てみると、どのような企業と関わっているかが分かります。また、そこで見つけた企業の「主要取引先」をチェックすると、さらに次の相関関係が見えてきます。これを繰り返すだけでも、業界同士の関わり合いを知ることができます。ぜひ試してみてください。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例セメントの主原料となる石灰石は国内で全てまかなえる数少ない工業資源。大手セメント会社は自社の石灰石鉱山を保有・開発している。コロナ禍による工事遅延や人材不足の影響で、販売量は横ばい傾向にある。石油は燃料や原料に使われ、生活に欠かせない資源である。日本はほぼすべての原油を海外輸入に依存しており、石油メーカーは原油をガソリンや灯油に精製して市場に卸す。人口減少や省エネ化による将来的な需要減少が課題。製紙産業では、木材から作られるパルプと古紙を原料に紙を生産する。ペーパーレス化が進み、新聞紙などに使う洋紙の国内需要が減少。海外展開や需要が好調な家庭紙や生活関連の紙素材を強化している。ごみ処理施設、石油化学工場、製油所など、様々な生産・処理施設が結合した施設設備(プラント)の設計や施工を行う。世界的な脱炭素の流れを受け、太陽光や洋上風力、水素などの新エネルギー分野への対応が焦点。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例東レ化学繊維国内最大手。炭素繊維では世界トップクラス。帝人炭素繊維大手。骨粗しょう症薬などの医療分野にも強み。東洋紡フィルム・機能樹脂等が柱。エアバッグ用基布や水処理膜も。三菱マテリアル伸銅品は国内トップクラス。セメント・機能性材料など多角展開。JX金属海外鉱山開発を推進。銅製錬技術に強み。DOWAホールディングス金属リサイクルなどの環境リサイクル事業に強み。三菱ケミカル三菱化学・三菱樹脂・三菱レイヨンが合併。国内トップの化学総合メーカーに。住友化学住友系総合化学メーカー。海外展開を進める。三井化学石油元売り大手の出光興産とエチレン設備を統合運営。高機能材料へのシフトを図る。住友電気工業電線国内最大手。自動車用ワイヤーハーネス分野に強み。古河電気工業光ファイバーは世界トップクラスのシェア。古河グループの中核企業。フジクラ国内3位。フレキシブルプリント基盤で世界トップクラス。太平洋セメント業界最大手。非セメント分野も手がける。海外へ積極的に展開。UBE三菱セメント宇部興産と三菱マテリアルの販売部門を担う。住友大阪セメント国内シェア3位。環境リサイクル事業や発電・売電事業など多角化を進める。ENEOSホールディングス国内シェア約5割の石油元売り国内最大手。出光興産19年に元売り大手の昭和シェル石油と経営統合。コスモエネルギーホールディングス国内石油元売り3位。アブダビ政府系投資会社が出資。王子ホールディングス紙・パルプ業界世界4位。「ネピア」ブランドで家庭紙を展開。日本製紙国内の印刷用紙生産トップ。家庭紙では「スコッティ」など。レンゴー段ボールで国内最大手。板紙でも国内トップクラス。日揮ホールディングス独立系プラントエンジニアリング企業。海外で石油、天然ガスの建設実績多数。千代田化工建設三菱商事が出資。LNGプラント分野に強み。東洋エンジニアリング化学肥料関連プラントに強み。三井物産系。繊 維非鉄金属化 学電 線セメント石 油 紙・パルププラントその他
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