結果として、しっかりと研究に取り組んだ学生が、企業からもそのポテンシャルを評価され、就活においても好結果に結びついていることが、毎年実績として出ています。 博士号を持っていたとしても、研究内容や専門性にストレートに結びつくことを「仕事」に出来る人はきわめて限られています。なぜなら、企業の目的は組織の存続と発展であって、個人の意向がそのまま通ることは多くはないからです。基礎研究など、直結するビジネス領域がかなり限定されてしまう分野もあります。 専門的な知識があるのなら、どこでその知識、知見は応用されているのか、求められているのかをしっかりと調べることで、具体的な企業選びが出来るようになるでしょう。日経産業新聞等専門紙には、新たな技術開発、素材開発・発見等の、一般紙には出ないニュースも盛り込まれています。大学図書館等に置いてあるので、日常的に関心のある分野だけでも眺めておくと、その技術や素材を開発した企業や、それに関心を持っている企業などを知ることも出来ます。 専門分野が特殊であればあるほど、こうした独自の情報源をこまめに調べることが、就職で役に立つので留意してください。 一方、研究・学習以外の活動、サークルやアルバイト、中には起業経験まで、社会人顔負けの活動をアピールする学生の話を聞くことがあります。しかし、企業は、このような活動はそれほど重視しないでしょう。なぜなら、理工系学生、特に東工大生に対する期待は、こうした「社会経験や学生生活一般の経験だけ」ではないからです。また、就活サークルに入って学生同士で試験対策に多くの時間を割いたり、インターネットでの裏話に精通したりするのは、本筋の「強み」を希薄化させることにもなりかねません。研究活動をおろそかにして、そのような就活対策に時間とエネルギーを割くのは本末転倒と言えるでしょう。 「強み」が何であるか、きちんと伝えられることは、何より重要であり、むしろ理工系であることのメリット、論理的思考能力、数理的処理能力(分析力等)、IT分野での専門知識等、文系学生が得意としない部分で差別化を図る方が、有利な就職活動が出来ます。これは2006年からのキャリアアドバイザールームにおける指導実績と結果において、実証されています。主に専攻・研究がそのまま活かせる、関連する分野での就職。● 研究● 開発● 設計● 品質管理● 技術コンサルタント 等● 製造技術● 生産技術● 生産管理● SE(技術+業務の知識)● コンサルタント 等15文系学生との差別化専門性に頼りすぎないCHECKCHECKCHECKまとめ専門分野での就職専門外などそれ以外での就職理工系的要素と文系的要素の両方を求められる就職。理工系でも専門外の分野での就職。● 技術営業 (技術+営業)● 知財特許 (技術+法律)文系などそれ以外での就職文系大学、学部の学生が数多く応募する分野での就職。● 事務(人事、経理、企画等)● 営業 等
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