東京工業大学 就職ガイドブック 2025
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就職活動をはじめる東工大生へのメッセージ■このガイドブックの目的  2025年に系・コースを卒業・就職する本学の学生向け「就職ガイドブック」をお届けします。二次元バーコードを使って本学ウェブサイトにもアクセスしやすくしています。就職やキャリア(関連した職業経験の連鎖)を考える際には、まずはこのガイドブックを一読し、東工大卒業生の就職活動やキャリアの特徴をよく理解してください。■これからの社会とキャリア コロナ禍、SDGs、気候変動や脱炭素への対応、AIやDX等、社会の大変化を示唆するキーワードがたくさん聞かれますが、キャリアや就職という点で我々に一番大きくかかわってくる変化は、日本の雇用システムの変化でしょう。歴史が古い大手であっても、終身雇用を保障できる企業は少なくなりました。この先、働く個人のキャリアは、企業ではなく個人の側にその構築責任が重くなります。学生、社会人いずれであっても、「どの学校(会社)」という肩書ではなく本人の実力、つまり本人がどのような経験を積み、経験によってどのような力を身に付けてきたかが常に問われます。さらに自分の経験や力をきちんと人に伝えることも求められます。この変化の中で何よりも大事なのは、「自分は何をしたいのか」を知り、その実現のための具体的なアクションを起こしていくことです。■東工大卒業生のキャリアは多様・多彩 卒業段階では「専門を直接活かすのか、ポテンシャルを活かして違う分野に就職するのか」が気になると思います。しかしキャリアは長期的なもので刻々と変わっていきます。在学中の専門を直接活かす就職をしたつもりでも、入社後全く関係ない部署に配属になり、複数の部署や海外で多様な仕事を経験される先輩はた2くさんおられます。昇進すれば現場を離れ管理職になり、また仕事が変わります。いわゆる文系就職をした卒業生から、お客様は製造業の方が多いので、想定外に在学中に学んだ理工系の知識が活かせていると聞くこともあります。東工大の中では「文系」であっても、入社後にITの部署に配属になる方もおられます。みなさんの卒業後のキャリアは、多様・多彩に広がっていきます。■「煙突のあるところ蔵前人あり」の理由 「煙突のあるところ蔵前人あり」という言葉をご存じでしょうか?もともとの意味は、明治の殖産興業の時代に、時代の最先端の工業(工場)には東工大の卒業生(蔵前人)がいて、その目覚ましい活躍は広く知れ渡り、日本の産業発展に大きく貢献しているというものです。この言葉に象徴されるように、東工大卒業生のエンプロイアビリティ(employability)は世界的に高く評価されています。これは、東京職工学校の時代から、専門分野においては「学理と実理」の両方を重んじ、また、教養教育(リベラルアーツ教育)が重視される伝統の中で育った学生達が、卒業後に世界中で活躍し、140年かけて積み重ねた社会からの高評価の蓄積の結果と言われています。ところで、これはなぜなのでしょうか。 東工大の学生さん達の話を聞いていると、この大学での学業には、分野を越えて次の2点、①理論と実際との間で数多くの試行錯誤をする ②手を動かし動作を伴う(実験や制作がある)という特徴があるように感じます。また、東工大ではマニアックに1つの分野を徹底的に深堀りすることができます。学生であっても研究室配属後は研究室の仲間として迎えられ、本人のやる気次第で最先端の研究テーマに挑戦することが可能です。ここから先は私の想像ですが、在東京工業大学 学生支援センター未来人材育成部門長伊東 幸子はじめに

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