東京工業大学 就職ガイドブック 2025
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■不安と迷いへの対応 キャリアの節目には、迷いや不安を抱えることになります。それ自体は誰でも経験することで、過度に心配する必要はありませんが、一人で抱え込みすぎず、専門のキャリアアドバイザー、場合によっては保健管理センターのカウンセラーの先生方に相談できるということを覚えておいてください。■研究活動を大切に 大卒段階の就職活動やインターンシップ参加の目的は、皆さんにとってのこれから長いキャリアの最初の第一歩をどこから始めるかを決めることだと思います。一方で、大学の研究室での研究活動は、単に卒業資格を取るための活動、研究成果を上げるための活動ではなく、皆さんが分野に関わらず長期的なキャリアを幸せに送るために必要な「仕事の基礎力」を身に付けるためにとても大事な活動になります。また、就職活動の中では必ず研究について聞かれる機会があるので、研究にきちんと時間をかけ(成果が出ていようがいまいが)、研究について企業の方に話ができるよう準備しておくことは必須です。研究・学業とインターンシップ・就職活動は、「両立」が重要です。研究室により研究活動が佳境の時期は異なるので、各自指導教員とよく相談してスケジュールを立てましょう。学中にこういう経験を重ねることで、個別の研究分野や領域を越えてどんな場面であっても通用する「その場の本質」をつかむ力が身に付くのではないでしょうか。どんな場であっても本質がつかめるので、一見理工系とは無関係の仕事でも活躍することが可能で、卒業後年月が経って管理職や経営職になっても活躍できる。これが、東工大の卒業生は一見関連がなさそうな幅広いフィールドでそれぞれのキャリアを重ねているけれど、共通してエンプロイアビリティが高く、「煙突のあるところ蔵前人あり」と評価される隠れた理由なのではと密かに想像しています。■初めてのキャリアの節目、誰と一緒に考えるか これからみなさんは、教育を受ける世界から仕事をする世界に出るという大きな「キャリアの節目」を迎えます。キャリアの節目には、ぜひ、多くの方の意見を聞きディスカッションすることをお勧めします。(キャリアや就職についてのみなさんの相談相手の候補)・研究室の指導教員、スタッフ、先輩、OB・OG・系の就職担当教員・ 学生支援センター未来人材育成部門のキャリアアドバイザー・ 蔵前工業会くらまえアドバイザー(キャリアアドバイザーから紹介します)・ご家族、友人、これまでの恩師・ 就職活動やインターンシップで知り合う企業の人事や社員■キャリアはこれから 人生100年時代、職業に就いている期間も、60年ぐらいは当たり前になってくるでしょう。転職、起業、副業などなど、「キャリアの複線化」の時代でもあります。大卒後のファーストキャリアは引き続き大事ではありますが、働いてみてから臨機応変にキャリアを変えていけることも、これからの時代を生きるみなさんのメリットだと思います。幸せなキャリアのためには、学生時代には、今しかできない「仕事の基礎力」を身に付けることが、これまで以上にとても大事です。何度でも繰り返します。東工大での今の恵まれた研究生活、そこで身に付く大切な力、大事にしてください。3

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