東京工業大学 就職ガイドブック 2026
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1兆3783億円 急激な需要の増減は起こりにくいが、少子高齢化や国内人口の減少により、国内市場は中長期的に縮小する見込みとなっていることから、各社は新たなマーケットとして海外市場の開拓に注力している。食品業界では、時間短縮・簡便化志向に対応した商品の販売が好調。共働き世帯の増加に伴い、冷凍食品や加工食品など、すぐに食べられる商品の需要が高まっている。また、消費者の健康志向は継続中。各社は健康機能を打ち出した高付加価値商品の開発に注力している。コロナ禍からの経済活動の回復で、外食向けやインバウンドの需要が回復傾向にある。原材料費などの高騰を受けて実施した食品の値上げをどう業績につなげるかが課題となる。業界規模漁業産出額魚介類の国内消費量・国内生産は、1980年代のピーク時から減少傾向が続く。また天然資源ゆえ、世界的に叫ばれる資源枯渇も課題となっている。一方で、中国や欧米では健康志向が広がるなど、水産物の需要は高まっていることもあり、水産各社は海外市場の拡大を強化。養殖事業への展開や加工食品にも力を入れている。121121業界の動向ハム類、ソーセージ類、ベーコン類などの製造・販売、食肉の生産・卸売が主要事業。人口減少の一方で、国内の肉類の消費量は増加傾向と需要は底堅いが、原燃料費や飼料価格の高騰などコスト増が続き、収益を圧迫している。各社、複数回の値上げをせざるを得ず、消費者離れを食い止めるための施策を迫られている。牛乳のほか、バター、チーズ、ヨーグルト、アイスクリームなどの乳製品を製造している。明治HD、森永乳業、雪印メグミルクの大手3社が中心で、その開発力を活かし、海外市場開拓へ向けて動いている。また、品薄の「ヤクルト1000」が好調なヤクルト本社や「生乳100%ヨーグルト」の小岩井乳業なども大手3社に続く。健康志向の高まりを受けて、ヨーグルトなどにおいて機能性を付加した製品に各社注力する。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例DM三井製糖HD国内最大手。三井物産系。日本甜菜製糖製糖準大手。国産甜菜糖では国内トップ。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例特集/業界研究[食品]マルハニチロ水産国内最大手。漁業・養殖だけでなく冷凍食品も強み。ニッスイ水産加工食品に強み。魚を原料とした化成品も手がける。極洋水産品の貿易・加工・漁業を手がける。業務用のすしネタも強い。日清製粉グループ本社国内トップ。米国の工場を買収するなど、海外展開に注力。ニップン国内2位。パスタや冷凍食品も強い。日清オイリオグループ国内業界最大手。日清、リノール、ニッコーが統合し誕生。不二製油グループ本社 食用油脂大手。油脂加工品なども展開する。高砂香料工業香料国内トップ。長谷川香料香料国内2位。食品向けのほか、化粧品向けも扱う。日本ハム食肉業界首位。海外展開も積極的に進める。「シャウエッセン」が代表商品。伊藤ハム米久ホールディングス 16年に伊藤ハムと米久が経営統合。ハム・ソーセージに強み。プリマハム伊藤忠商事が出資。ハム・ソーセージで国内大手。「香薫」が人気。丸大食品加工食品が主力で、レトルトカレーやデザートも展開する。エスフーズ「こてっちゃん」が主力商品。丸紅が出資。明治ホールディングス業界国内大手。機能性ヨーグルトが好調。中国に相次いで新工場を設立。森永乳業 乳製品大手。ビフィズス菌生産を外販向けに増強する。雪印メグミルク11年に雪印乳業と日本ミルクコミュニティが統合。合弁会社をシンガポールに設立する。(2021年)農林水産省食肉加工牛乳・乳製品水 産砂 糖小麦粉 食用油香 料

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