東京工業大学 就職ガイドブック 2026
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 126綿花、絹などの天然繊維やポリエステル、ナイロンなどの化学繊維を扱う。近年は、高機能繊維の開発が進み、炭素繊維やガラス繊維、環境に対応した繊維などの開発に繊維業界各社は力を入れている。鉄以外の金属を総称する「非鉄金属」にはアルミニウムや銅、ステンレスなどがあり、アルミ缶や10円硬貨など身近なものから、電子部品やロケットまで幅広く使われる。最近は自動車産業において軽量なアルミ材の採用が広がっている。石油や天然ガスを主原料とした、樹脂やゴムなどの合成繊維の総称を化学製品と呼ぶ。プラスチック製品からスポーツシューズ、セーター、洗剤、タイヤまで幅広く使われる。自動車の電動化に伴い、自動車向け部材に期待が高まる。建築・自動車・電子部品などのあらゆる分野において、電力や電気信号を伝えるために不可欠な電線。従来は銅製が主流だったが、アルミ製や光ファイバーで用いられるガラス・プラスチック製のものもある。このページでは、これまで取り上げた以外の業界について、動向と国内主要企業を紹介しています。それぞれの業界が数多くの他業界と関わり合い、企業間の取引を行っています。興味のある業界があれば、その業界がどのような他業界と関わり合っているのかを調べましょう。例えば、ある企業の「主要取引先」を見てみると、どのような企業と関わっているかが分かります。また、そこで見つけた企業の「主要取引先」をチェックすると、さらに次の相関関係が見えてきます。これを繰り返すだけでも、業界同士の関わり合いを知ることができます。ぜひ試してみてください。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例セメントの主原料となる石灰石は国内で全てまかなえる数少ない工業資源。大手セメント会社は自社の石灰石鉱山を保有・開発している。セメント製造工程での脱炭素化に向けて、各社技術開発を強化している。石油は燃料や原料に使われ、生活に欠かせない資源である。原油は海外輸入に依存しており、石油メーカーは原油をガソリンや灯油に精製して市場に卸す。人口減少や自動車の電動化による将来的な需要減少が課題。製紙産業では、木材から作られるパルプと古紙を原料に紙を生産する。ペーパーレス化が進み、新聞紙などに使う洋紙の国内需要が減少。海外展開や需要が好調な家庭紙や生活関連の紙素材を強化している。ごみ処理施設、石油化学工場、製油所など、様々な生産・処理施設が結合した施設設備(プラント)の設計や施工を行う。世界的な脱炭素の流れを受け、環境負荷の低い、LNGや天然ガスの大型プラント需要が好調。国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例国内主要企業例東レ化学繊維国内最大手。炭素繊維では世界トップ。帝人化学繊維大手。医療・医薬品分野にも強み。東洋紡フィルム事業が柱。エアバッグ用の基布など、産業用繊維に強み。三菱マテリアル銅加工だけでなく、超硬工具や電子材料も主力。国内首位級。JX金属ENEOSホールディングスの金属事業を担う。銅製錬技術に強み。DOWAホールディングス金属リサイクルなどの環境リサイクル事業に強み。三菱ケミカルグループ国内トップの総合化学メーカー。アクリル樹脂素材MMAが強み。住友化学住友系総合化学メーカー。海外展開を進める。三井化学自動車用樹脂やメガネレンズ材など、高機能材料へのシフトを図る。住友電気工業電線国内最大手。ワイヤーハーネスは、世界で高いシェアを誇る。古河電気工業世界初の光ファイバーケーブルの実証実験を実施。古河グループの中核企業。フジクラ国内3位。フレキシブルプリント基盤で世界トップクラス。太平洋セメント業界最大手。骨材、建材なども手がける。海外へ積極的に展開。UBE三菱セメント旧宇部興産と三菱マテリアルのセメント事業統合で、22年に発足。住友大阪セメント国内シェア3位。環境リサイクル事業や発電・売電事業など多角化を進める。ENEOSホールディングス国内シェア約5割の石油元売り国内最大手。出光興産19年に元売り大手の昭和シェル石油と経営統合。石油元売り2位。コスモエネルギーホールディングス国内石油元売り3位。コスモ石油と丸善石油化学を傘下に置く。王子ホールディングス紙・パルプ業界世界4位。「ネピア」ブランドで家庭紙を展開。日本製紙国内の印刷用紙生産トップ。家庭紙では「スコッティ」など。レンゴー段ボールで国内最大手。板紙でも国内トップクラス。日揮ホールディングス独立系プラントエンジニアリング企業。海外で石油、天然ガスの建設実績多数。千代田化工建設三菱商事が出資。LNGプラント分野に強み。東洋エンジニアリング化学肥料関連プラントに強み。三井物産系。繊 維非鉄金属化 学電 線セメント石 油 紙・パルププラントその他

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